メタボリック対策

メタボリックシンドロームはお腹や内臓の周りに脂肪が溜まった状態が原因になっています。肥満は、大きく2つのタイプに分かれます。ひとつがお腹の中の内臓の周りに脂肪が蓄積する「内臓脂肪型肥満」。もうひとつが、下腹部や腰、おしり、太ももの周りの皮下に脂肪が蓄積する「皮下脂肪型肥満」です。

メタボリック対策は、「内臓脂肪型肥満」、「皮下脂肪型肥満」ともに必要です。このうち、内臓脂肪型の肥満は、一見、それほど太って見えないことが多いのですが、実は高脂血症、高血圧、糖尿病を引き起こして動脈硬化を進める原因になることがわかってきました。

メタボリックシンドロームとは、一つひとつは軽症でもこうした「内臓脂肪型肥満、高脂血症、高血圧、糖尿病」など、動脈硬化を進めるリスクを複数併せ持った状態のことをいいます。

痛風の合併症:糖尿病

糖尿病は、痛風の人に合併しやすい病気です。糖尿病は一度発症すると治らない病気なので、一生つきあっていかなければなりません。

糖尿病は、過食や肥満、運動不足、内分泌系の疾患などにより、血液中のブドウ糖を細胞内にとり込んでエネルギーとして利用するときに働くインスリンというホルモンが不足して、血液中のブドウ糖が過剰になる病気です(2型糖尿病)。

また、インスリンを分泌する膵臓のランゲルハウス島のβ細胞が壊れてしまい、インスリンが欠乏して血糖値が上がるために糖尿病になるタイプもあります(1型糖尿病)。

糖尿病になると、細い血管に障害が起こるので、目の網膜や腎臓の糸球体などの血管がおかされて、網膜症、腎症などの合併症を発症させます。


インスリン

インスリンは、血液中のブドウ糖(血糖)の量を調整するホルモンで、膵臓の中に分布しているランゲルハンス島といわれる組織から血液中に分泌されます。

インスリンは、血液中のブドウ糖が体の組織にとり込まれるのを促進します。そしてブドウ糖が多すぎる場合には、肝臓でグリコーゲンにかえて貯蔵させてブドウ糖を下げるように働きます。

また、肝臓内に蓄積されているグリコーゲンがブドウ糖に分解されることを防ぎます。したがって、膵臓に障害が起こってインスリンの分泌が減少すると、血液中のブドウ糖がふえて血糖値が高くなり、やがて糖尿病になります。




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痛風の合併症:尿路結石

痛風の合併症の一つに、尿路結石があります。腎臓で作られた尿は、尿管を通って膀胱に入り、尿道から体外に排泄されます。

この尿の通り道である尿路にできた結石を尿路結石といい、痛風患者の10~30%にみられます。痛風や高尿酸血症の人にみられる結石は、尿酸が原因になる結石だけではありません。

尿酸結石は、腎臓で尿の中の尿酸が結晶を作ってだんだん大きくなり、小さな石のようになったものです。これは尿酸結石と呼ばれ、成分の約50%が尿酸で、そのほかにリン酸、シュウ酸、カルシウムなどが含まれています。

尿酸値が高くなり、尿中に排泄される尿酸の量が多くなるほど、結石ができやすくなります。腎臓でできた結石は、尿路を流れておりていきますが、大きさが6mm以上の結石になると、途中で尿管に引っかかってとどまり、激痛や血尿の原因となることがあります。

結石が見つかった部位によって、腎杯結石、腎孟結石、尿管結石、膀胱結
石、尿道結石、前立腺結石といいます。

尿管結石は、ほとんどが腎臓から落ちてきた結石が原因ですが、膀胱結石の場合は、そのほかに排尿障害などが原因で膀胱にたまった残尿に結石ができることがあります。

結石が腎臓にあるうちは、自覚症状はほとんどありませんが、尿管結石では激痛を起こし、息ができないほど苦しむことがあります。これは疝痛発作と呼ばれ、多くの場合、腰やわき腹を中心に下腹部が痛み、結石が尿管のなかを移動すると、痛む場所も変わっていきます。

移動する結石が尿管を傷つけたり刺激したりするので、血尿が出たり、頻尿、排尿痛などが起こったりすることもあります。尿酸結石は、X線を透過するためにX線撮影をしてもほとんど写りませんが、超音波検査を行えばとらえることができます。

尿路結石の治療は、泌尿器科で行う結石が小さいときは、水分を大量に飲んで尿といっしょに自然に排泄させる方法がとられます。

その場合、出てきた結石が保存できたら、医師にみてもらいましょう。結石の成分を分析すると、結石のできた原因がわかることがあります。

結石が大きい場合は、内視鏡を使って結石をとり出したり、体外から衝撃波を結石に照射してこまかく砕く方法が用いられ、恩者の苦痛や負担を軽減した治療を行うことができます。




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痛風の合併症:高脂血症

空腹時の採血で、次の3つの検査値の一つでも該当していれば、脂質異常症(高脂血症)と診断されます。

①LDLコレステロール値が140mg/㎗以上
②HDLコレステロール値が40mg/㎗未満
③中性脂肪値が150mg/㎗以上

高尿酸血症と脂質異常症(高脂血症)は、インスリン抵抗性が共通の原因になっていると考えられています。実際、痛風患者の40~70%が脂質異常症(高脂血症)を合併しています。

コレステロールと中性脂肪コレステロールは、細胞膜の材料やホルモンの原料になるなど、わたしたちの生命活動になくてはならない物質です。

食べすぎや運動不足などで過剰になると、動脈硬化や高血圧症、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病の原因になります。

コレステロールは、HDL、LDL、VLDL、カイロミクロンなどに分類されますが、なかでも動脈硬化と密接な関係にあるのがHDLとLDLです。

��DLは、血液中の余分なコレステロールを回収して肝臓に運ぶ働きをしていることから善玉コレステロールと呼ばれ、LDLは、動脈硬化の原因になることから悪玉コレステロールと呼ばれています。

人間の体は、食べ物から摂取した糖質や脂質をエネルギーとして使い、余ったものを中性脂肪として脂肪細胞や肝臓に蓄えておく仕組みになっています。

エネルギーが不足すると、この中性脂肪が脂肪酸とグリセロールに分解されてエネルギーとして使われます。また、中性脂肪がふえると、HDL(善玉コレステロール)が減ります。



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痛風の最新治療:痛風を抑える治療

痛風の発作を抑える薬
薬剤によって痛みをやわらげ、炎症を抑える対処療法が行われます。痛風発作に用いられるのはコルヒチンや非ステロイド系の抗炎症薬です。

コルヒチンの効能
昔から痛風発作の特効薬として広く使用されている薬です。ユリ科のイヌサフランという植物の種子や球根の成分から作られています。

コルヒチンには白血球の働きを抑える作用があるので、患部に白血球を届きにくくして、炎症が広がるのを抑えます。

コルヒチンは、飲む時期が早ければ早いほど効果は高くなります。したがって、発作の前兆である、関節のムズムズ感やかすかな痛みなどを感じたら、すみやかにコルヒチンを1錠(0.5mg)服用することで、発作を未然に防ぐことができます。

注意したいのは、コルヒチンを大量に飲むと、脱毛やひどい下痢などの副作用が起こることです。また、骨髄の働きを低下させることがあるので、乱用は禁物です。通常1日に1錠のみ服用し、症状によってほかの抗炎症薬と組み合わせるのが一般的です。

コルヒチンの副作用痛風発作の治療薬のコルヒチンを服用すると、比較的簡単に発作の痛みを抑えることができます。しかし、飲みすぎたり、長期にわたって飲みつづけると、副作用があらわれるので注意が必要です。


長期間飲み続けたときの副作用
再生不良性貧血、顆粒球(白血球の一種)の減少、血小板の減少、脱毛、ミオパチー(筋肉の障害)、末梢神経炎、血尿、欠尿(尿の量が異常に少なくなる)などの症状があらわれることがあります。

過敏症
全身のかゆみ、発疹、発熱などの症状があらわれることがあります。

胃腸障害
下痢、むかつき、嘔吐、腹痛、腹部応痛(せんつう)などの弓軌、胃腸障害があらわれることがあります。




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痛風の最新治療:尿酸値を低下させる

痛風の治療では、発作の激痛を抑える処置をするとともに、尿酸値を低下させる薬が使われます。痛風をほうっておくと腎障害や糖尿病などの合併症を招くので、治療をつづけることが必要です。

尿酸を排泄する薬高尿酸血症の治療に使用される薬には、大きく分けて2種類あります。一つは体内で合成される尿酸の排泄を促進する尿酸排泄促進薬で、もう一つは体内で合成される尿酸の働きを抑制する尿酸合成阻害薬です。


尿酸排泄促進薬
日本で使用できる高尿酸血症治療薬は、尿酸排泄促進薬のベンズプロマロンと尿酸合成阻害薬のアロプリノールの2種類です。ベンズプロマロンは、尿酸排泄作用が強く、アスピリンとの相互作用が少ない薬です。一部の特異体質の人以外は、副作用はほとんどありませんが、念のため、肝障害のチェックを受けましょう。尿酸排泄促進薬は、尿酸の排泄が悪いために血液中の尿酸が増え、上昇した尿酸値を下げる必要のある患者に用いられます。しかし、尿中へ排泄される尿酸の量が増えるために尿酸の結晶が腎臓に沈着して、腎臓が機能障害を起こすことがあります。


尿酸の生成を抑える薬尿酸合成阻害薬
尿酸が生成されることを抑え、尿酸値を下げる薬を尿酸合成阻害薬といいます。各医薬品メーカーがさまざまな商品名をつけて販売していますが、どれもアロプリノールという薬です。

アロプリノールは、現在唯一の尿酸合成阻害薬といってよく、日本では1970年から使用されています。例外を除き、1日2回、200~400mgを12時間間隔で服用します。

副作用は、軽い肝機能障害や湿疹などが起こることがありますが、心配ありません。ごく稀に、再生不良性貧血や劇症肝炎が起こることがあります。特に、腎臓に障害のある患者に副作用が起きやすいので、注意が必要です。

一般的にアロプリノールは副作用が少なく、長期にわたって飲みつづけても心配のない薬です。この薬によって尿酸値のコントロールができれば、痛風結節を改善することも可能です。

薬の効果がないとき高尿酸血症の人が、薬物治療を始めた初期の段階で痛風発作を起こすことがあります。

痛風発作は血清尿酸値が急上昇したときに起こるのがふつうです。しかし、上昇していた尿酸値が急激に下降したときにも、発作を起こすことがあるのです。これを、尿酸値の下降型発作といいます。薬物治療を始めて3~6カ月ほどたつと血清尿酸値が安定するので、痛風発作は起きなくなります。

尿酸値を増加させる薬に注意する尿酸値を上昇させる原因となるものに、ほかの生活習慣病を冶療するために服用している薬があります。

その代表的なものが高血圧症を治療する降圧利尿薬です。高尿酸血症の人がこの薬を服用すると尿酸値が上がるので、病状が悪化することがあります。尿酸値を上昇させる治療薬のおもなものには、次のものがあります。

●サイアザイド系利尿薬=ダイクロトライド
●ループ利尿薬=フロセミド
●抗結核薬=ピラジナミド、エタンブトール
●消炎鎮痛薬=少量のサリチル酸(アスピリン)
●パーキンソン病治療薬=レポドパ





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痛風の原因である尿酸とは

尿酸とは痛風の原因物質です。

尿酸は体内にある核酸やプリン体の最終産物です。

人間は、体外から物質を取り入れてその物質から必要なものを吸収し、いらないものを分解して排泄します。

この過程に起きる化学反応を代謝といいますが、代謝によって分解された物質を代謝物質といいますが、からだの中でこれ以上分解も合成も出来なくなった物質を最終代謝産物をいいます。

尿酸は核酸やプリン体の分解や合成により出来た最終代謝産物です。

尿酸は体外に排泄されるのですが、プリン体の過剰摂取や、尿酸を排泄する腎機能の低下などにより尿酸が血中に残り、これが結晶化したものが関節などに沈着してしまい、溜まっていき、これが原因となって痛風を発症するおそれがあります。

痛風が起こるプロセス


体外からプリン体を摂取(レバーなどに多く含まれる)
  ↓
代謝により体内でプリン体が分解、合成されて、尿酸が産生される
  ↓
一定量までの尿酸は、尿として体外に排泄されるが

過剰摂取や腎機能の低下で、血中にのこった尿酸が結晶化し関節などに沈着する
  ↓
血中の尿酸濃度が高くなり高尿酸血症になる
  ↓
関節などに溜まった尿酸ナトリウムが原因で痛風を発症




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